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瞼の転校生のゲルのレビュー・感想・評価

瞼の転校生(2023年製作の映画)
3.9
既に自分の道を心に決めたまっすぐな中学生・裕貴の思いが、素直なストーリーに乗ってすとんと胸に落ちてきた。
『瞼の母』をオマージュしたタイトル。
昨年、大衆演劇をテーマにした『邯鄲の夢』を観てとても良かったので、本作も楽しみにしていたが、匹敵するくらい良かった。
不登校だけれど勉強ができてイケメンの建、これまた優秀な美少女の茉耶。
そして、小動物のようなキュートな目元がいかにも舞台化粧映えしそうな裕貴。
単なる友情とも表現できない3人の関係性の描き方は、作品の世界観に入りやすくしてくれる。
しばらく世話になることになった元アイドルの浅香と裕貴は、お互いを尊重し合いきちんと敬語で話していて非常に好感度が高い。
藤田監督が育ちの良い人なのかなと思った。
舞台調のタイトルバックがとても良かったし、燃えるような瞳で見詰め、それを微笑みで受け止めるラストシーンも素晴らしかった。
とても観やすい作品なので、テーマから敬遠せず、たくさんの人に観てほしい。
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