Nove

市子のNoveのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.1
辛く胸の深いところが締め付けられる。
人生で一番最良の日が、去らなければならない時が来てしまった。
母子で生きるには、いくつもの修羅場が訪れる。
生まれた時から、どうしょうもない宿命を背負わされた人間は、嘘をついてでも今日が過ぎるのを耐えるしかない。
普通であることをどんなに望んでいても、隙間に入り込んでくるやつはいる。
幸せが見えた瞬間に、また過去が追いかけてくる。
遠くに走っても、海辺を歩いても、拭い去ることができない亡霊は、幸せの影から顔を出す。
せめて花火の日には、やきそばを食べたい。
しばらく一人で泣かせてほしい。
Nove

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