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市子のdm10foreverのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.3
【エアポケット】

以前、映画館でチラシをもらってから、このインパクトの強いジャケットに惹かれてずっと気になっていた一作。
公開直後からは皆さんの高評価もチラホラとお見受けして(あ~~早く見たい!)ってウズウズしていたんですが、なんせ札幌はシアターキノというミニシアターのみでの公開しかなく、さらに上映時間もお昼か夜の20時以降という、なんとも悩ましい時間帯しかなかったのでずっと悶々としていました。

で、たまたま余った半休の期限が昨日までだったこともあり、(それならば・・・)ということで、急遽半休を頂いて馳せ参じましたよ。

・・・や~、やっぱり観て良かった。
とにかく「女優杉咲花」の演技は必見ものでした。
ドッカンドッカンと迫力ある映像だけがスクリーン案件ということは決してなくて、あの暗いスクリーンで雑念を全てシャットアウトした状態で没入して観る「人間の迫力」は、莫大な火薬の量や壮麗なCGをもってしても決して表現できない説得力がありますよね。

この物語は「そう生きざるを得なかった一人の女性」の数奇な運命と、彼女に関わったことで自身の運命すらも彼女の起こす渦に巻き込まれていった人たちを描いたサスペンスドラマです。

テイスト的には昨年公開されて話題となった「ある男」にもちょっと通ずる部分もありつつ、個人的には今作の方が「生々しさ」という点では、より印象が強いかもしれない(あっちはあっちで好きなのよ)。

コインにも表と裏があるように、人間にも必ず「表と裏」はある。
でも意外とどんなに近くで見ていたとしても、どちらが「表」でどちらが「裏」なのか、気が付かずにいることも少なくないのかもしれない。
続きはネタバレも含むので、フィルターかけて「カバンの底」にしまっておきます。
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