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市子のMKのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
2.5
個人の不在と周囲の証言で一人の人物を浮き彫りにしていく構成?
しかも浮き彫りにされていく人物は決して幸福とは言えない…というより個人の幸福感なんて他人がとやかく言うものではないと訴えかけてくるような物語だった。 

前後する作品の時間軸と市子とその周囲の人々、追体験するようで市子の真相に迫りつつも感情移入してしまいそうな生い立ち、背景。

温度の低い進行のなか、人生を全うしようとする市子の姿があるのだけれど、情報量というのか、不遇が幾重にも襲い掛かりすぎていて、なんともフラットな感覚に陥ってしまった。

ただ其処にある、幸せを願うだけの少女の一生。それを俯瞰したり主観で眺めるようなひと時。

ど真ん中の評価は自分の感情のフラット感のつもり、人生のステージ、境遇、その日のコンディションに依拠しそうな、鑑賞者の人生観に、作品の評価というか質が迫ってくるような熱量はあった。

もっと仕事が捗っている時に来たかった…

「ほかげ」や「月」といったこってりした作品が続いたせいで、比較的あっさりめに映っているかもしれない。
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