RiRi

市子のRiRiのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

見たいと思いつつ見れずにいましたが、ようやく鑑賞。
正直、お話の筋はそこまで…という印象を受けてしまい、あまり私には合わなかったなと見終わったあと思いました。
各人物の視点や時系列によって物語の真相がわかっていく形式は近年の邦画に多い気がします。
ここ最近の流行りなのかわかりませんが、類似ギミックの作品を観てきていると、新鮮味はなかったです。
時系列を細切れにしているので結構わかり辛いとも思いました。あえてそうしているのかもしれませんがね。
無戸籍なんだろうなっていうのが中盤くらいでわかってしまうので、じゃあそこからどうやって終わらせるんだろう?と思いながら見て行きましたが、え?これで終わり?って感じでした。

タイトルロールの「市子」という存在をどう思えるかで作品への見方が変わりそうな作品。
私は、生まれ育った環境が「かわいそう」とか、「仕方がない」というのも多少あったのですが、どっちかって言うと市子はファムファタールでサイコパスかなと感じました。
育った環境故にそうなったのかは微妙なところですが、生まれながらにそういう資質がありそうな人だなと。
小学生くらいの頃から男子にキスしていたし、高校生になったら彼氏はいるのに他の男子に思わせぶりな仕草をするし、彼氏はクラスのカースト上位な男子だし、巻き込んだ北とは踏切に死体を一緒に置いたのに自分だけは逃げちゃうし…。
そういう行動の一つ一つに、この人はかわいそうな人ではなく、生きていく為に必要なスキルとして、周りの誰かを自分の為に動かすことができるタイプの女と受け取りました。
特に、成長していくにつれて食べ方とかしゃべり方、しぐさがすごく可愛い女の子っぽくなっていくんですよね。弱々しくて可愛らしくて、守ってあげたい雰囲気を出している。だから平気で他人を巻き込むことができるし、でも自分に不利なことがあれば一方的に切り捨てることもできる。そうやって生きることができる人なんだと思います。

なお、最後の男女の死亡事件がニュースで報道されてた件は、北と自殺願望者の女性だと思いますが、あれは市子が北にそうするよう誘導してそうかなと。そして自殺願望者の彼女の戸籍をまた乗っ取るくらいはしてそうだなと思いました。

内容的にはnot for meなのですが、出演している演者は皆様とても素晴らしく、特に杉咲花さんは本当に凄まじかったです。
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