このレビューはネタバレを含みます
キツかった…面白いというよりズシリと食らわされた
失踪したあの人には壮絶な過去が…といったありがちなファム・ファタールの中ではかなーり重たい部類
見ていられない辛いシーンほど冷徹に静かに長回しするので本当にキツくなり「最高や！全部流れてしまえ！」の叫びには共感せざるを得ない…
実在の社会問題（ヤングケアラー、親ガチャ、家庭崩壊、無戸籍者、介護殺人、ストーカー、有害な男性性）の描写はどれも骨太なものの、やっぱり比較される「ゴーンガール」もびっくりのオーバーキル感（もう最後とかレクター博士かと）
本当に幸せだった二年間の尊さを振り返りつつも、結局問題提起で終わり救いようがなく、普通に生きるために「悲劇のシリアルキラー誕生」で帰結してしまったようでちょっと惜しいが、その後味の悪さが本作のミソなのかも
本当にいい子にここまでのことをさせてしまうやりきれなさだけが残る
映画的には、それぞれの部屋の違いが絶妙で素晴しい
特に北くんの本棚のあの感じとか、そこそこ高そうなゲーミングチェアとか、整然と置かれた水槽とか、不快ではないけどやんわり幼稚さが垣間見える部屋演出すごいわ
