MubaoMasato

市子のMubaoMasatoのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.5
「市子」
市子という名前の彼女はいなかった。数々の欺きと多くの謎が残されながら、回想と現実を行き来しながら辿っていく映画。

正直戸籍の問題かなと「ある男」を観ていたので、少し分かってしまうが、過程がどうなるか、謎がずっと残っていくので最後まで分からなかった。そして、ラストシーンは神妙な終わらせ方。

まず、市子はずっとお母さんを守りたかったと思うし、唯一守ってくれて気にしてくれたのは、パティシエの女の子とずっと探していた本作のもう一人の主人公の男の子だけ。
まず、お母さんは身体を売っても、小学生の市子にご飯を出してくれて、感謝を伝えて、市子も自分を守るため、母親を守るために殺しを行う。ずっと母を守っていたんだなと感じました。
市子はずっと夢を持ってはいけなかったけど、パティシエの女の子に夢を貰って、男の人に結婚を与えてくれる。いわゆる自由を与えてくれたけど、戸籍が無いから結婚も出来ない。

この日本のあまり知られていない法律問題や倫理観と人間の環境を描いた傑作。杉咲花さんが高校生も似合っていて、素晴らしい女優さんだなと思いました。
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