"ファム・ファタール"の本人にとって、ソレは"ファタール"でも何でもない というか、ファムファタという言葉は基本的に、近年では、その対象を把握してコントロールしたい男性の八つ当たりとしか使われていない。
｢お前は何しにきたん？｣の言葉通り、映画を観に来て何をしたいのか、川辺市子の人生を知ってどうするつもりなのか なんて視聴者は一切考えない。つまり、この映画自体が 真実を知りたがる若葉竜也(=観客)へのアンチでもあり、少なくとも 頭からケツまで知ったとこで 劇場の外で狂わずに過ごせなけりゃなんの意味も無い。当たり前だけど 映画を観ても理解出来ない人さえいる。
フィクションでは現実の醜悪さが分かりやすく把握できるのに、外に出れば一瞬でそれ等のグロい現実を内面化してしまう。そんなもん。
