話の終わり方も市子という人間の善悪も二律背反で語れないことが妙なリアリティーを生んでいる作品。
妹を手にかけるときの躊躇いのなさ、それに母親が礼を言い鼻歌を歌う、悪魔の所業に腹が立つのだが、同じように追い詰められたことのない人に何も言う権利はないのかもと感じて、そこからこの映画を二律背反で見ないスイッチが入り、面白く感じるようになった。
市子に対して何も意見できない自分が新鮮だった。
生きることに貪欲で前向き。
ただ人生のチャプターを変え続けた先に何があるんだろうか。人は人間関係や社会経験の蓄積なく、刹那的幸福だけでやっていけるんだろうか。
若葉竜也がやっぱり好き。