このレビューはネタバレを含みます
これ観るとメンタルやられます。
母子家庭、ヤングケアラー、愛着障害、貧困の連鎖、300日問題など、連日報道番組で取り上げられるような、現代社会の負の側面の幕の内弁当を市子1人で背負っているような感じ。もちろんそんな弁当では消化不良起こしてまくっています。
杉咲花さん、若葉竜也さんの演技は見入ってしまった。暗〜い映画にピッタリな2人。
とくに若葉さんの出立ち、話し方や雰囲気がとても映画の趣旨に馴染んでいて、視聴者をさらなるダークサイドに誘う。
杉咲花さんは言わずもがな。
市子の特殊な生い立ちから、この日本で生きていくにはとても高いハードルばかり。
プロポーズされた時に「はい」ではなく「嬉しい」、高校時代の彼氏の求めには「嫌いになった訳ではない」などと素直に応じることができないセリフが、心に刺さる。その時に溢れた涙は嬉しさだけから出てるものではないもんな。
そして、心に影を宿す女性が魅力的に見えてしまうのは何故だろうか…。
色々な男性が巻き込まれているところから、さらに探求する余地があるなと感じた。