さみわん

市子のさみわんのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
3.6
名前というものは混沌の中からその物を分離して認識する為の物だ。
その点でキラキラネームが良くないのは、普通に読めない等、名前の役割を満たしていないという点が一番問題だ。名前を聞かれた時に自信を持って名乗れない、何度も説明を必要とする名前は、子供の自信を奪いアイデンティティーの確立を妨げてしまう。
本作の主人公"市子"もその境遇により自分の名前や存在について非常に悩み苦しんでいる。そして彼女はある選択を選ぶのだが、それは身勝手であり同時に悲しい。

物語が進むにつれ、少しづつ彼女の気持ちに寄り添い、そして拒絶するだろう。

★人を滅多刺しにする様なスプラッター的な殺人よりも、余程陰鬱になる殺人シーンがあります。気分が落ち込んでいる時や育児や介護に疲れている人にはおすすめしません。
さみわん

さみわん