鍛治のロワイヤル

市子の鍛治のロワイヤルのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじを読んで、宮部みゆきの「火車」かと思ったら、主人公をやむにやまれず犯罪に走らせる動機を変え、視点を女性目線とした換骨奪胎だと感じました。
杉咲花さんの不思議系が入った無邪気な少女っぽさと、サイコパス的な不気味さが共存した、演技と言うのも陳腐なような、映像の世界のなかの存在感が圧巻で、たっぷり間をとったシーンもまったく苦痛ではなかった。
事の詳細な経緯は語られないのだけど、それをやると二時間ドラマぽくなってしまうから、映画としては余韻を残す終わり方でいいでしょう。
あと、的外れな感じ方ではあるけど、男が真剣になると引いて逃げる女というのは今時の恋愛事情に通じる普遍性があるなと思ってしまった。