今まで観た邦画の中でもかなり上位に入る素晴らしい映画だった。市子に潜む壮絶な過去に胸が痛くなるし、市子を探しているうちに明らかになる驚きの事実、鳥肌が立つ。市子が人生の中で関わってきた人物で段落分けのようなかたちになっているのと、市子を探す現在が同時進行で描かれることによって市子に感情移入しつつ物語に入ることが出来るし、過去と現在どちらも続きが気になる素晴らしい構成になってた。予想の斜め上を行く展開の連続でかなり楽しめる。BGM少なめで静かで暗めな雰囲気や茹だるような夏の空気感もかなり好き。終盤は観ていて辛くなるくらいどうしようもない気持ちになる。そしてこれ以上ない完璧なタイミングで来るエンドロール。終わった後も余韻で虚無感がしばらく残る素晴らしい作品だった。今後も傑作として記憶に残り続けると思う。
