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ミラーズ・クロッシングのnosのレビュー・感想・評価

ミラーズ・クロッシング(1990年製作の映画)
4.2
禁酒法時代のアメリカが舞台。
マフィアの覇権争いを、打算とハッタリのみで生き抜くガブリエル・バーン演じるトムを主役に据え、描いたヒューマンドラマ。
一介のギャングに過ぎないトムだが、借りた金は自分で返す、自らの手は汚さないという徹底したポリシーを持ち、頭のキレと顔色一つ変えないクールな振舞いに、マフィアのボスも一目を置く。

街を巻き込む覇権争いのキーマンとなるトムが、自らの手は一切使わず、マフィアを動かす様で、この手の映画に新たな手法、価値観を提示。

とは言え、マフィアのボス、アルバート・フィニー演じるレオがガウンを羽織りながら、マシンガンをぶっ放すシーンはマフィア映画の王道を行き、非常に強烈なインパクトを残す。

「ノーカントリー」のシガー、「トゥルーグリット」のコグバーン等、コーエン兄弟は銃を持たした描写が抜群に上手い。

濃いキャラ設定、シニカルな雰囲気、洒落たセリフ回し、古き良き時代を印象的に切り取る映像作りにコーエン節を十二分に漂わせた秀作。
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