トントン、トントン、って灰を落とす音がきもちい。じっとなにかを見つめるような映画でおれも見つめたいと思うのだけれどなんだか少しだけ遠くの出来事に感じられてしまったのはなんでなんだろうか、赤ん坊かわいいねとかやったりするシーンで入り込む春の後頭部のショットとか本当に良いなと思ったけどどうも無駄に引き延ばされているようにしか思えなくて例えば濱口竜介(っぽいなと思ったらまだ未見のやつだった)の映画だと引き延ばされてるところに語られているものがあると感じるけれどここには語られるきっかけというものが余りにも少なくて「間」に生まれる真実というものがあるのならそれを垣間見た気になったり見失ったりでそんなことをしているうちに疲れて寝てしまったりもした。仕草も表情も雰囲気も顔の輪郭さえも友人に似過ぎている小川あん演じる春はずっと良かった。少し想像すれば感動できそうなところもあるんだけどそれでいいんだろうか…と考えているうちにまた寝ている。もっと理解したいでもできないみたいなもやもやが最後の最後まで続く。でも、なんだかとても楽しかった監督と眞島氏のトークを経ていろいろと思い出しつつ、分からないは分からないのままでいい、分かろうとしないなりに分かるものがある、これは「分からないこと」についての映画だ、うんうん、と妙に納得しながら一人で帰った
