すばらしかった...オールタイムベスト10に入ります。はっきりと濱口竜介作品が今作には存在していて、それでもしっかりと杉田監督映画でもある。現実とシームレスに感じるしかない人物の実在感と、絵画のように美しいショット。そして、“小川あん”さんが中心でなければならない物語。
ほんとうに、ほんとうに胸がいっぱいになる。それぞれにある空白の時間、そこに存在する喪失と痛みが語らずとも、人物の表情と劇場から発せられる空気によって僕の胸の奥へ失うことはない感情として同化することができた。
ここまで素晴らしい傑作に、今年1本目の劇場鑑賞で出会えるなんて。もう『彼方のうた』だけで良いのでは...と思ってしまうほどで。これから、濱口/三宅/瀬田の作品を観ることになるけれど、ちょっとどうだろう。どうしよう。という感情です。今は。
あと、間違いなくオムレツが食べたくなる映画です。なんであんなに美味しそうなんだろう。小川あんさんがタバコを吸うシーンもとても良いです。
