EDDIE

彼方のうたのEDDIEのレビュー・感想・評価

彼方のうた(2023年製作の映画)
3.4
すべては主演・小川あんの表情に委ねられている。川のせせらぎ、バイクのエンジン音、料理する音、劇中のすべての音に五感を研ぎ澄まし想像を膨らませることで豊かな情景を思い浮かべる。喪失も何かを得ることも“気にする”ことが大切なのかもしれない。

主演の小川あんさんの表情や目力が素晴らしかった一方、表情アップや立ち姿のロングショットが多く、演者がどんな感情なのかなど想像力が試されます。
84分飽きずに観られたのは良かったですけど、中盤以降のおそらく過去作とクロスオーバーするシーンで置いてけぼりに。
初めての杉田協士監督作品鑑賞だったので常連客で賑わう店に余所者が入り込んでしまった感覚がありました。

とはいえ、有名俳優の出演でいえば眞島秀和ぐらいだったものの、主演の小川あんともう1人の主要キャストの中村優子がそれぞれ実に素晴らしくて、なんなら小川あんは過去出演作をもっと観たい!と思わせられるぐらいの他には真似できない存在感がありました。

あと、本作は卵映画でした。
オムレツ。みんな大好き。
調理の工程からしっかり見せる。劇中に三度のオムレツを作り食べるシーンがあります。
出会い→心を通わせる→愛情と別れ。
これをどう見るかも鑑賞者の想像に委ねられるでしょう。
味わい、作り方を教わり、答えを確かめる。
なんだかんだ卵は無限大。

〈キャスト〉
春(小川あん)
雪子(中村優子)
剛(眞島秀和)

※2024年新作映画2本目
※2024年劇場鑑賞4本目
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