このレビューはネタバレを含みます
前作の『春原さんのうた』が、鑑賞後もずっと心に残っていて、あの雰囲気を味わいたくて本作も鑑賞しました。
こちらの作品もやっぱり説明的なものはなくて、それでも漂う喪失感があって。
たまたま登場人物たちの日常の一部を切り取って覗いたような、そんな印象を受けました。
ただ、どうしても『春原さんのうた』と比べてしまい、『春原さん〜』の温かい空気感が好きだったなと思ってしまいます。
（もちろん『彼方のうた』も良い作品でした！）
以下、ネタバレ含んだ内容です。
ラストで雪子さんが「だめだよ」と繰り返して春を抱き締めますが、それはつまり春が大切な人の後を追うような気配を感じた、と私は受け取りました。
そう思うと、歩道の上で悲しげに佇む春のシーンが意味深くなってしまう。
ラストの解釈が定まらないままで、余韻がずっと残り続けています。
