anemone

陽炎座 4Kデジタル完全修復版のanemoneのレビュー・感想・評価

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常に彼方と此方、あの世とこの世を彷徨っているような、美しくも儚く不安げな世界。
光に揺れる陽炎は、背中合わせに座る春弧と品子は、生者と死者の溶け合う瞬間なのかもしれない。

むしった花を散らし、鬼灯を口にふくみ、手水舎で御髪を洗う品子姿が、蜃気楼の向こうに消えてゆく美しい鬼のよう。
白昼夢に誘われるようにが入り込むお屋敷の、なんとも官能的で妖艶な雰囲気
水草をかき分け、小舟で辿り着くと、遊郭のような廊下が現れる。
さあ、いらっしゃい。

赤い着物の品子黒い着物の
見せもの小屋のイレーネの劇
ほおづきに沈む品子
花を散らす品子(百合、菊、白、黄色のミモザや霞草のような小花)
人形の官能シーン
菩薩の絵に寄りかかり、閻魔に変わるシーン

3度お会いして、
4度目の逢瀬は恋になります。
死なねばなりません。
それでも
お会いしたいと思うのです。


〜衣装語り〜
品子
トルコ石の指輪
①薄紫色のぼかしの着物(桜、白と菫色の葉の柄)+シャンパンゴールド地に の帯+さーくるビジューが施された梅色の帯紐+赤い髪留め
②薄桜色の着物(
③黒地に紅葉の柄の着物(

⑤青みのピンクの着物
⑥紫色の着物


お稲(イレーネ)
①水色の着物+ピンクの帯


その他
①袖にエンブロイダリーレースがあしらわれたスタンドカラーブラウス+ワインレッドのベロアスカート
②深緑のベロアワンショルドレス+グレーのファー+紫のビジュー羽飾り+赤と黒のビーズネックレス
③サテンの開襟ペンクベージュブラウス




建物
の館
①真っ赤なカーペットに、アンティークウッドで統一された家具、大判の白いテーブルクロス、クリスタルのシャンデリア、ピンクや黄色、白の花が生けてある花瓶。
②黒い漆塗りの壁や化粧台に、鳥や果物や花の豪奢な銀細工


列車

見せもの小屋
anemone

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