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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのayukoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

飛行機で鑑賞。日本公開直前のアカデミー賞作品賞ノミネート作ですね!

1970年、全寮制寄宿学校で、嫌われ者の教師、食堂の料理長、トラブルメーカーの生徒は、それぞれの事情でクリスマス休暇中の寮に居残ることになった、ってお話。

「サイドウェイ」のアレクサンダーペインとポールジアマッティのコンビ再び!なこの作品。「サイドウェイ」もかなり良かった記憶ですが、こちらは更にわかりやすく感じました。これぞハートウォーミング!な良作!

まず、嫌われている先生と生徒。取り残されることが決まった時点で、あーこの嫌われ者たちが仲良くなるのね、という展開は読めるし、その通りにはなります。

しかし、擬似家族モノにハズレ無し! この作品では2人の嫌われ者度が大変高く、結構難あり性格なので、そこから2人が心を通わせるまでのギャップ、その高低差がまず気持ち良いです。

ポールジアマッティが良い!寄宿学校の厳格な教師。融通がきかず、生徒たちに嫌われるだけじゃなく、教師からも嫌われている。家族も恋人も友人もいない、学問と教師一筋、趣味もお金も、髪の毛も若さもない。更に身体が臭くなる病気持ち。

本当はこうなりたかったわけじゃない、を思わせる場面もあり、教師ポールの人生を思うと切ない。

哀愁漂う、でも悲壮感だけじゃない、おかしみもあるけど、コメディ過ぎない、役柄ぴったり。当て書き?と思うくらいのハマり役でした!

生徒役の子も良かった!可愛くて魅力的!ただちょっと、嫌われ者の生徒役としては、少々イケメン過ぎ?という気もした。

再婚した実母から邪険にされたり、クラスで浮いちゃうキャラ、には見えなかった。バリーコーガンがハマりそうなキャラクター、に見えました。

嫌々ながら一緒に過ごす2人は、お互いの秘密を共有し、理解しあっていく。長年教師として、生徒たちが立派な大人になれるよう、厳しく接してきた教師は、結局誰一人の生徒からも、おそらく慕われて来なかった。そんな彼が自分のキャリアを犠牲にしても、守りたい生徒がやっと出来たんだなあ、と思えるシーンは感動的でした!

セリフで伝えたり、お涙演出もなく、さらっと去っていくポール。カッコ良くも見え、その後彼が成功したとか、彼女が出来た、というような安易なハッピーエンド演出にしないのも、良かった。2人に幸あれ!心から思えるような爽やかなラスト、最高でした!
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