トールキン

青春ジャック止められるか、俺たちを2のトールキンのレビュー・感想・評価

4.5
井上淳一監督、主演の井浦新さんの舞台挨拶上映を鑑賞。期待値は元々高かったけどそれを超えるくらい良かった。2時間があっという間なくらい没入してた。

映画館という空間で映画を見るということ。メジャーな作品からマイナーな作品までどんな作品でも劇場まで足を運んで見ることでそこでしか体験出来ないものがあるし家のテレビで映画を見るのとはまた異なるその空間でしか味わえないような、ただ見たい映画を見るだけじゃなくて雰囲気なども含めて個人的に好き。
映画という自分の好きなものをもっと突き詰めて自分の映画愛をもっともっと高めていきたいともこの作品を見て通じて思えた。そんな映画愛に溢れるような内容で自分が映画好きで良かったと心から改めて思えた。自分の好きなものってやっぱり好きな者同士で共有したいよね。
サブスクの配信で映画を見るというのが時代の主流になってきている中で映画館離れが進みつつある現代でもやっぱり見たい映画は映画館で見てこそ!と語弊のある言い方かもしれないけどそう声を大にして言いたい。ミニシアター劇場というものがさらに好きになるかのような感じにもなれた。映画館で映画を見るのが好きな人や映画を愛してやまないような、好きで好きでたまらないような人に是非オススメしたい。

シネマスコーレというミニシアターが誕生し、どのように発展していくのか、そして若かりし頃の井上監督がどのようにして映画監督としてのキャリアのスタートを切っていけたのか、それらを同時進行で見ながら追っていける。
井浦さん、東出さん、芋生さん、杉田くん、皆それぞれの役柄や存在感が良かった。前作に続いて井浦さんの若松孝二監督は安定感があって、シネマスコーレの支配人の木全さんを演じられた東出さんの大らかで明るい感じも良かったし、芋生さんの女性としての葛藤や杉田くんの好きな映画を仕事にしたいけど上手くいかないもどかしさ、などそれぞれの人物に自然と感情移入していけた。

個人的な感想を挙げると、やっぱり役者としての東出昌大さん好きだな。自然体で演じるその振る舞いやさらに声とかも好きだし、これからも応援し続けたい。終盤で若松監督に向かって「映画というもの」を熱弁するシーンがあるけど本当に胸が熱くなった。さらに作中での奥さん役がコムアイさんてのも面白い演出だよね。

そして、前作を見ているからこそラストの粋な演出には思わず涙が出た。ラストにそう持ってくるかあと、してやられた感があった。なんやかんや言ってもこれは若松孝二監督に捧げる映画なんだな、と感慨深くなる。

もうとにかく色んなこと感じられてとりあえず見た人と色々感想語りたい!
そして、間近で見れた井浦新さんめちゃくちゃカッコよかったです!
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