ツクヨミ

青春ジャック止められるか、俺たちを2のツクヨミのレビュー・感想・評価

3.0
映画製作業の表と裏.ミニシアター営業の難しさを詰め込んだ群像とメタ視点ラスト。
予告編にて映画製作とミニシアターの内輪もので面白そうだった本作を予習して挑んでみた。
まず本作は前作"止められるか、俺たちを"から時代が流れた80年代、若松孝二が作ったミニシアターであるシネマスコーレに集った人々が織りなす群像劇だ。在日韓国人で映画作りたくて大学入ったけど作れずミニシアターでバイトする娘.予備校に通いつつ若松孝二に弟子入りして監督を目指す青年.そんな若い二人を支えつつシネマスコーレを任されたら若き支配人の物語が交差していく。
まあ白石和彌監督が撮った前作からすればわりかし勢いは控えめ、それもそのはず1980年代といえば"ニューシネマパラダイス"でも言及されたテレビとレンタルビデオの波が映画館を脅かしていた時代。でもそんな逆境の中でもピンク映画の力を借りてなんとか営業を続けるシネマスコーレ、ドキュメンタリー"シネマスコーレを解剖する"でも言われていた自主制作映画をかけてクリエイターを応援するスタイルを地でいくラストなど現実とリンクする部分良かった。
だがしかしやはり前作と比べるといろいろ語りたい話が多すぎて全体的に薄い印象がある気がする、成功したがこれでいいのかと悩む若者.そんな成功者を僻むバイトの対比とかミニシアター営業の難しさとかいい語りはあれど、結局井上淳一監督本人の物語をシンプルにやってるだけに収まってしまう読了感というか。ラストのメタ視点とかもわりかし好きなんだけどなんかやっぱり丸くなりすぎて前作と比べてしまう感じが若干消化不良。
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