デブチンバラ

フローラとマックスのデブチンバラのレビュー・感想・評価

フローラとマックス(2023年製作の映画)
4.5
これまで音楽をモチーフに映画を撮り続けてきたジョン・カーニー監督。「はじまりのうた」では大人の男女を、「シング・ストリート 未来へのうた」では少年たちを、そして今回は母と息子の親子を主役に据えている。子どもであるマックスは度々警察のお世話になる非行少年。母親のフローラも行きずりの男と一夜を共にするような決して身持ちが良いとは言えない感じ。そんな二人は口喧嘩が絶えない。フローラは息子のためにと思ってゴミ捨て場からギターを拾ってきたが、マックスはそれを受け取ってくれない。フローラは仕方なく自分でギターを弾くことを決め、インターネットで見つけたギター講師・ジェフの手ほどきを受けることになる。フローラとジェフとの関係が先生と生徒の関係から一気に男女の関係へと縮まっていく。二人はお互いダブリンとL.A.で暮らし距離が離れているが、ジェフがフローラのパソコン画面の中からフローラの前に飛び出してくる演出が憎い。しかし、物語上はこの二人の関係性が発展することに待ったが掛かり、”やはり今回は親子でしょ”ということで、フローラとマックスの二人が音楽を通じて親子関係の絆を取り戻すという展開が素晴らしい。「コーダ あいのうた」でも使われていたジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now(青春の光と影)」がこの映画でも重要なポイントで使われていました。そりゃそうですよね、名曲ですからね。
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