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夜空に星のあるようにのkyokoのレビュー・感想・評価

夜空に星のあるように(1967年製作の映画)
3.3
これが同時代のフランス映画と言われたらすんなり観られたと思うのだけど、ケンローチ作品となると…うーむ。
社会の底辺で生きる人々が主役、という点ではテーマはぶれていないものの、泥棒稼業が当たり前に職業のひとつになってる&主人公の行き当たりばったり感を前にして、脳内にはドノヴァンじゃなくて和田アキ子の『だってしょうがないじゃない』のサビが巡り、感情の入れどころが分からなくて時々眠気にも襲われる。
かろうじて母親としての愛情だけは失われなかったことに安堵した(あの出産シーンは本物にしか見えなかったのだけど…スタント妊婦?)。

女を食い物にするという点では、はからずも最近観た「ラストナイト・イン・ソーホー」と、時代も舞台もフェミニズムもついでにテレンススタンプも被るというミラクルが起きた。一心不乱にエロポーズをとらせるオヤジたちの欲望の方がよほど純粋に見えてしまったのはたぶん錯覚。
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