Koichi

エクソシスト 信じる者のKoichiのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
4.0
母親への想いから“ある儀式”で冥府から連れてきてしまった“邪悪な存在”に取り憑かれた二人の少女と家族が体験する恐怖を描くホラー。

今回の作品は初期作から50年の節目にあたる“正統なる続編”なのですが、わたし的にはリブート作品のような感じがした。

初期作で悪魔憑きとなったリーガンの母親クリス・マクニールが登場するのだが、あくまでもアドバイザー的な立ち位置となり、クリスの人生はリーガンの事件から180度変わっていた。そして、現在のクリスの抱える問題にもスポットが当てられている。結果的にクリスは"あのよう“になってしまったが、今回の事件で彼女の“エクソシストシリーズ”としての物語は一旦終止符を打ったのではないかと感じた。

今回の作品では同時に二人の少女が悪魔憑きとなると言った、これまでに体験したことがない設定となっている。そして、二つの家族と隣人、そして彼らが信じるそれぞれの“神”と言った多様的な信仰も取り上げられている。特に今回の作品は絶対的な神の存在ではなく、信仰心による“心の強さ”や“家族の絆”、そして“人と人とのつながり”の重要性が描かれていた。それ故にあの結末へと繋がっていたのではなかと感じた。

今回の作品は二つの家族がメインで描かれているが、その周囲の人たちの人生も丁寧に描かれていた。それぞれの語られる事がなかった苦悩や想いなど、通常のホラー作品では置いてきぼりになってしまうエピソードが、この作品ではそうではない事がとても印象的だった。

作品は2時間程度だが、それを感じさせない物語の進行と展開が素晴らしい。様々な意見はあるだろうが、個人的にはよかったと思っている。そして、今回の作品をリブート的に捉え、あのラストカットまでを考えると“次回作”も見え隠れするような雰囲気に感じる。作品としてはこの作品で綺麗にまとめ上げられているが、どのようになるのだろうか?作品を観られた方々はどのように感じられたんだろうか?考察も含め鑑賞後も楽しめる作品ではないだろうか。
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