メッチ

エクソシスト 信じる者のメッチのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
4.0
続編という印象よりも悪魔祓いをテーマにした1つのホラー映画として地に足がついた作品。

まず、私がエクソシストの1作目をみたのは高校生の頃でした。その衝撃が凄かった事を覚えています。本作公開されるとはいえど、1作目の内容もだいたい覚えているから予習もせずに行きました。結論は、それが最適解でした。

1作目みなくても分かりやすい内容だったから。ただ、1作目はホラーの金字塔といわれるほど完成されているため、それと比べてしまうと本作はそこまでの衝撃はなく、1作目に強い思い入れがあったりすると本作は物足りなさを抱いてしまう気がします。悪魔に取り憑かれた少女たちによる超常現象というかホラー描写がもっとあってもいい気がしました。
ただ、続編としてみにいくことよりも久しぶりにホラー映画を鑑賞する気持ちでいた方が楽しめる印象です。

あとは、好印象を持てたのはジャンプスケアのやり方が印象的だったこと。
近年のホラー映画のジャンプスケアは、無理やりな効果音や幽霊などの対象のものが突然出るというのはあります。これは、作っている側は楽しんでやっているのでしょうけれども、みている側としては、「次のシーンで脅かしにくるな」と用心できてしまって、驚くという楽しみが半減してしまう原因なのです。
観客をただ驚かせばいいという制作者側の安直な考えのように感じ取れてしまうので、やめたほうがよろしいのではないかなと私は思います。

しかし本作では、静かなシーンから次のシーンでは、普段生活しているうえで出るような大きな音のシーンが流れるため、普通に驚かされます。これは、カット割が上手いといってもいいのでしょう。普段何気ない生活のシーンでさえも、不気味に感じ取れる要素でもありました。
少なくとも私は予測しにくかったので、久しぶりに驚かされました。

最後に、カジュアルにみられるホラー映画が多い昨今。ホラー映画に慣れていない方でも楽しめる利点はあれ、ホラーに慣れている私には物足りなさが圧倒的にありました。
ただ、本作のようなひと工夫されているものの方が、作品としてひとつ上の質の高いものをみせられた気がしてなりません。
なんというか、真剣に1つのホラー映画作品を作るという制作者の真面目な印象を感じ取れました。
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