AkihiroTakeishi

悪は存在しないのAkihiroTakeishiのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

この評価のされ方日本人の監督の作品が毎度思うのだけど、しっかり笑えるってすごいことだと思うんですよね。

過去を遡ればそりゃ居たかとは思いますし、
世界的に見たらフツーなのかもですが…
いや声出して笑わしてくれるの嬉しい。

とはいえ
相変わらずの緊張と緩和。
不穏なオープニングからただのルーティンすら心がざわつく。

説明会のシーン。
自然に対しての人間の在り方
そもそも、みんな自然にとっては開拓者であるという、至極真っ当であると同時に人間離れした意見。そして求めるべきはバランスだと言う。

故にラストはバランスを取られたんだとばかり思っていた。人の言葉尻に厳しい本作らしいな。。。と思って帰っていた劇場のロビーにてとんでもない感想が聞こえてくる。

「お父さんは鹿だったんだね」

わぁー…これ自分で気づきたかったなぁ。
言われてみればそれでしかない。
便利屋と名乗るもののどのか間借りしているような彼の環境。
鹿の通り道を帰路に入れ込む親子。
極め付け、ラスト手負の子を前に未来を見据えいつか自身の生活圏を揺るがす存在を絞める。あまりにも生物的な生命の危機に追い込まれるグランピングチームの男。
鹿でありながら、人の中にいる中立のもの。
鹿・現住者・開拓者

中立を取るものを軸に命の交換を持ってバランスをとられてしまったのだ。

あと、濱口さんが
割と多くの男の言葉の端に不意に出てしまう
「お前〇〇〜」のお前が引っかかる人なの好感持てる。
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