ルイまる子

悪は存在しないのルイまる子のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.9
ドライブマイカーの濱口監督最新作。カメラワークがすごいよ。美しい自然、ずっと林の中を歩く、走る、登る映像。前半の布石回収、登場人物皆わかりやすいしそれぞれが事情がある。シンプルな構成、悪は存在せず、しかし誰が悪いとは言えないが平和が壊れていくのは必然だ。そんな避けようもない矛盾だらけの現代を描く。多分完璧な映画なんだろうな。娘をおんぶして歩く以外は…(8歳という大きな娘をなぜおんぶするのか?)

不穏な空気
林の中の移動が多い
色の鮮やかさ、オレンジのダウン、白の女らしいニット、青のダウン、縞模様のニット帽
無神経な一言
【ネタバレあり】
その後マユズミは行動から外れ一人残される。しかし結果的に犠牲者にならず済んだ。そんなあるあるな運命
便利屋と名乗る巧はその村に必要な物を調達し、必要な行動を取る

最後のアレも必要だからやったのだろうね…

ヨーロッパ映画みたいな美しさと残酷さ、それを支える繊細な音楽。

しかし、面白かったか?と訊かれれば、そうでもない。

『ドライブマイカー』『寝ても覚めても』『偶然と想像』がベター。余韻は残る。しかし視聴中の面白さからすると、『ハッピーアワー』と同じくらい。没入する作品ではなかった(私見)。*多分私が去年岩手県にハマり、シカの数増え過ぎ問題についての考えがあるから、その知見が邪魔し没入出来なかったのも一因だが、矢張り成熟しきった作品で、目から鱗なメッセージがないと、スッキリと好きな映画とは言えない。
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