正直グランピングの話が入ってくるまではとても眠かった。でもあそこで贅沢に長回しの自然を映し出してたのは、後半に効いてるなーと思ったよ。なんかケリーライカートっぽさあったよね、綺麗な映像と実験的な画角と音楽と、とても良かったな。
で、濱口竜介の会話劇が好きな私としては、グランピング計画の集会からとても面白く観ていたんだけども。田舎vs都会みたいなのは本当いくらでもある話で、ただそれだけじゃなくて、そこに住む人々のグラデーションの様子とかそもそものルーツとしての話とか、その上でもう一度話をしようって言うのがあまりにも人間らしいと思った。互いが納得する形を、だなんて自然の世界ではそもそも無いんだと思う。だからこその、悪は存在しない、なのかな〜と。悪とか善とか正義とか、全部全部人間のエゴだし、そーいうの自然には無いんだよな。自然と人間の中間地点みたいな巧のバランスが、振り切れてしまったんだろうなと色んな人のレビュー見て納得した。
それにしても都会人の車の中での会話面白すぎるんだよなー。なんであんなに雑談の解像度高いの、濱口竜介って。程よく他人の距離感がこそばゆくて冷めてて良い。
思い出したけど、森を下から撮ってるみたいなあの最初の映像、なんか私には棺に入れられて運ばれてる時みたいに思えて怖くなったんよな、同じ人いる？(いるわけない)
