はぁ〜観に行って良かった。笑ってしまう日常がありながら、和やかなムードの中で人間の憎さや闇の部分だんだんと出始めていく感じが本当に良かったです。
簡単な内容は、自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得て計画したものだった。しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることがわかったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも思わぬ余波が及ぶことになる。。。というような内容でした。
「偶然と想像」で心を鷲掴みにされた濱口監督作品はいつ観れなくなるか、どこで観れるか分からないので公開時に確実に映画館で観たいと思っているので観ることに。
やっぱり濱口監督は凄いって思わせる映画でした。元々今作は音楽のライブ用の映像として作られた所から、構成された106分の映画になったそうです。その成り行きも気になるし、そんな変わり方をしたのにも関わらず、しっかりと濱口監督らしさと内容としての深さがあって素晴らしかったです。
序盤は割とライブ用の映像なのかなと思わせるような自然の映像と音楽が共に流れていく。中盤からはグランピングを建てる建てないの話から、後半追い上げをかけるように物語が進んでいきました。
濱口監督らしい日常的な会話から笑わせてくれる脚本と、人間味が出る演出まで描かれていて見応えは充分でした。色々な人間関係や、自然の流れから今作の題名の意味が結びついてくるのが分かる気がしました。自然の中にも、人間の中にも悪は存在しない。。。
言葉でどう伝えたら良いのか、どうまとめたら良いのか分かりませんが、凄く響きました。久々に映画で心抉られました。良かったです。。。
