このレビューはネタバレを含みます
初っ端から原生林を見上げてゆっくり移動する長回し。
巧の長野での生活を淡々と音楽を控えめに映し続ける。
仕事の後だったら心地よすぎて寝てしまうような映像。
けど、この執拗な序盤の長回しの意義を芸能事務所の自己中なグランピング開発説明会のシーンで納得した。
気づいたらこの場所の魅力を実感していて、普段はこの開発者と同じ都会に住む自分が住む人たちと同じ目線で計画の説明を聞いていて驚いた。
やっぱり都会から来た人々に理解できるわけがない。確かに資本主義の視点から判断するなら合理的なのかもしれないけどそんな簡単じゃない。
繊細なバランスを保ちながら生態系は維持されていてそこに住む人が誰よりもそのことを知っていて、尊重している。
よくキャンプに行くけど、郊外の美味しいところだけ都合よく消費してその土地に敬意を払わない行いは絶対にしないようにしたい。