梅田

悪は存在しないの梅田のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
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もともと100分くらいの映画だということをインプットして観に行ったので、冒頭の静かなシークエンスが続くと「このペースで時間使っていってストーリー語る時間あるのか?」とか考えてしまったんだけど、振り返ってみればやはり序盤の贅沢な長回しに無駄は全くなかったことがわかるし、その語りの巧みさと自然さに舌を巻く。濱口作品的なストーリーの急旋回は過去一だと思うけど、そこはまだうまく消化できてない。
カメラの横移動がかなり物理的に速い(軽トラで走りながら撮ったらしい)のに対して、空を見上げた縦移動はもどかしいくらいゆっくりに感じた。真っ青な空の下、残雪のある雑木林の美しさが、陽が落ちると途端に不安を掻き立てる姿に変わるのも物凄くリアリティがあった。
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