このレビューはネタバレを含みます
悪は存在しない。
社長とのやりとりのところまでうーんって感じがしたけど。その後の車内シーンでの社員同士の会話が良すぎるな。今年一番のシークエンス。話している人ではなく聞いている人にカメラを向ける反応の映画であるなと思った。従来の映画であればコトモノ→人のリアクションであるが花の反応→鹿という見ているひとのリアクションを印象づける北野映画のような画面連鎖からもわかる。濱口監督の映画は「ドライブマイカー」でもそうだが“誰がどんなリアクションで”車を走らせているかよりも“どこを”走っているかをカメラに映し出す。今回のガタガタカメラでの撮影もそうであろう。棒読み演技についても本数を重ねて考えたいな。