K

悪は存在しないのKのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.1
見上げた木々。長回し。陸(おか)ワサビ。いわゆる濱口メソッド…特徴的な台詞回し。それによる自主制作感。監督名が伏せられていても、海外で評価されていなくても、この作風を高評価する人が多数派なのだろうか…濱口作品を観るとしばしばよぎる考え。お迎え。だるまさんがころんだ。「鳥の羽はね、楽器になるんだよ」。住民説明会。「上に住んでる人間は義務があるんです」。オンライン会議。同じポーズの絵。マッチングアプリ。薪割りのコツ。「それ味じゃないですよね」。水汲み。半矢。トゲ。鹿。タイトル。やっぱり自分には濱口監督作品を楽しむのが難しい。自身の映画に求めているものが、大抵あまり見当たらない。これだけ世間で評価されているのだから映画としての出来は素晴らしいのだと思う。だから近づきたいのに距離が埋まらない。単純に向き不向きなのだろうとも思う。自分のやっていることは当たり屋のよう。面白いか面白くないかで言えば面白いとは感じられなかった。悪“は”存在しない。
K

K