iszka

悪は存在しないのiszkaのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
5.0
(とりあえず書いたので、いうてる事めちゃくちゃです)

音楽の不自然な切り方、
既視感あると思ったらゴダールか、、。

終盤までは、善悪の脱構築という(おそらく鑑賞者の脳内でも)何度も擦られてきたテーマが、濱口節の悲喜交々とした会話劇で緩やかに展開されていくが、ラストで積み重ねてきた形式が唐突に崩れる。

というよりかは、善悪の脱構築のいく果てにある混沌(あるいは空虚)としたイメージがそこにある、というべきなのだろうか。

今後この映画のラストに対する考察や解釈が多岐に渡り展開されていくであろうが、言うまでもなく濱口はそれに対する正解を用意していないはずだし、そうでなければ如何様にも解釈できる結末を安直に表現する監督でもないだろう。この映画は「アドリブ的」なので、彼の頭の中にある混沌としたイメージそのものが現れたのではないだろうか。

デリダ曰く「脱構築=正義のための決定」とのことであるが、求められるべきは些細な要素からの結末の推理と決定ではなく、(非-悪の)正義に向かうための世界の受容と決定であるだろうし、そしてそこに単一の正解はなく、だからこそこの映画は説明の責任を放棄しているどころか、責任を持って私たちに決定を委ねてきているとおもいまちた。
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