MubaoMasato

悪は存在しないのMubaoMasatoのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.8
「悪は存在しない」
「ドライブマイカー」の衝撃から帰ってきた濱口監督の最新作「悪は存在しない」観てきました。

濱口監督は、観客に考えさせたり、説明口調ではない間を大事にしていて、普通カットするところをカットせずに垂れ流して、より現実味に擦り合わせる監督だと私は思います。

今回のキャストは僕は全く知らない人ばかりですが、演技ではない本当の現実を切り取ったような時間を過ごしました。

今回の話は、グランピング施設を村に建設する予定だが、住民の意見交換会で問題が山積みだと判明する。それをきちんと互いに解消するために、建設する人達が、村を深く理解するために村に向かうのであった。

いやー、今回の映画も素晴らしかったです。最初は物語に全く関係ない景色の風景と大きな自然と不気味な人間達でしたが、グランピングの建設を考えている良く分からん芸能事務所が押し掛けた意見会からブーストがかかり始める。浄化槽の位置や人員の24時間体制の提言を住民をするが、答えはすぐには出せないし、出席した企業はプロではない。でも、住民の例えと意見が滅茶苦茶刺さる。都会の人は田舎に悪いものを全て投げ捨てて帰る。や上流から流れた物を処理するのは全て下流だけといった、その言葉の重みが重すぎる。

そして、シーンが変わり今度は企業側の話になり、どんな会社かと思えば、上とコンサルタントが滅茶苦茶馬鹿。絶対こんなのあるよな。コンサルタントの価値が僕の中では滅茶苦茶下がった。何がコンサルタントだよ、ガス抜きは下の人なんだよ。オンライン会議で車の中でやるのも腹が立ったし、車の中の会議とかするやつは、差別します。

そこから、車の中の話も滅茶苦茶面白いし、ピリッとするところから、笑いに転換するのも現実だなと思う。

そこからは、まぁ映画館で観てください。
最後まで面白く、終わり方も大好きな終わらせ方。最高の映画体験でした。映画館数も少ないので、この映画の中の主人公も金はあるから、働かなくても良いと同じように、金を稼ぐためにやってないと思いました。
MubaoMasato

MubaoMasato