げんげん

悪は存在しないのげんげんのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0
ドライブマイカーの濱口監督最新作。ヴェネツィア映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)受賞作。アカデミー賞とった次作でヴェネツィアグランプリ受賞なのに公開館が少なく、扱いがちょっと酷くないか?と思ってしまいます。

長野で暮らす主人公達の町にキャンプ場が建設される話が入ってくることから始まる物語。『悪は存在しない』というタイトルがまず好きだなぁと。自然を前に悪は無力というか存在しない…そんな感覚が映画をみると凄い伝わってきます。

1番好きなのは本来悪者で描かれる側のキャンプ場建設側の社員2名。とてつもなく感情移入してしまうのです。住民説明会のシーンとその後車で2人が話すシーンが凄い対比になっていてめちゃくちゃ好きです。濱口監督は台詞から脚本を書くそうで、相変わらず台詞というか会話のシーンが上手い。ちょっとだけ出てくるコンサルもめちゃくちゃ胡散臭くて好きです。悪者ではないけど、どこか無責任なところが凄く人間らしくてリアル。正直事務所側の人達のほうが演技が上手かったと思う。

ラストが完全に突き放す感じなので、後でネタバレ解説とか調べる感じになるかな?と思います。余韻を残すっちゃ残すけど、もう少し分かりやすく終わらせてくれても良かった。

2024年38本目
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