悪は存在しないのniameyのネタバレレビュー・内容・結末

聳える木々の梢を、煽りの構図で映し出す長回しの移動シーンから物語は始まる。思えばあれは、巧に抱えられた花が見た最期の風景だったのかも知れない。

花が手負いの鹿に襲われるのを、意図あって巧は傍観していたのだと解釈した。

彼女の亡骸をグランピング場の予定地に遺棄し、話を白紙に戻すことを狙ったのかと嫌な想像をした。悪意を持つ者が不在のまま、死体だけが残ってしまった。