うみんちゅ

悪は存在しないのうみんちゅのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

上映してるとこがめちゃくちゃ少ないけど、大阪の近くでやってたから観れた。

長野県の自然豊かなとこで暮らす親子の巧と花。薪割りをしたり、水を汲んだり、猟師が鹿を撃つ音が聞こえたり、自然を学びながら暮らしてる。自然のシーンがたっぷり使われてるから、めちゃくちゃ癒しやった。良い意味で寝そうというか、サウナと水風呂の後の休憩みたいな感覚になった。花のお迎えを忘れる巧は、時間に縛られてないからなのか花への関心が多くないのか。巧は便利屋としておるってのが後にわかる。
芸能事務所が巧達が住んでる横の土地にグランピング施設を作る計画をする。高橋と黛は住民への説明会を開く。住民達からは管理の問題とかの話が出るけど、特に水に関する問題が一番重要視されてた。住人にとって水は命で、それを汚されるのはたまらんし、巧はバランスが大事であってそれを崩されるのは嫌やと。上流に住む住人は、下流に住む住人が被害出るようなことはしたくないと。ほんで社長とコンサルが来てないのもみんな文句言うてた。
高橋達は全くその辺考えずに社長とコンサルの話だけをそのまましに来た様子やった。でも黛はその状況を変えないとと感じた様子。持ち帰って社長とコンサルに住民の意見を言うてもコロナの補助金を理由に中止とか100%の妥協はしやんと。なんなら巧は暇そうやねんから管理人として雇えば良いやろと。それを伝えにいく高橋と黛が車の中でプライベートの話をシーンを入れることでこの二人にキャラクターとしての意味を持たせた。ちょい役では終わらんということやと。車の中で高橋は、もう今のとこからここの管理人しよかなっていう話も出てた。
巧ともっかい話をしに来た時の薪割りのシーン、巧は完璧に全部成功させればOKやけど、高橋はわざと失敗するのむずかったやろな。ノーカットやったし。そのあたりから高橋は巧を手伝ってここで暮らす練習みたいなんをし出してた。まるでもうグランピング施設を作るのは確定してるかのように。グランピング施設のとこには2mジャンプする鹿が通る話にもなる。野生の鹿は人間を襲わんらしいけど、子供がそばにおったり怪我をしてたら襲うこともあるらしい。
そんな中、花が行方不明になる。黛は留守番して、住人は夜になっても探し続ける。巧と高橋ももちろん。巧と高橋が子連れで撃たれてる鹿の前に立ってる花を発見した。高橋が花を助けに行こうとしたら、突然、巧が高橋の首を絞めて殺した。まさかの展開。その次には鼻血出して倒れてる花の姿。巧が抱えて去りながら終わる。

最後の展開の僕の解釈の前に視点についてやけど、車の前じゃなく後ろを見せるってなかったかも。花目線の木々とか後部座席からの運転手と助手席の会話とか、面白かった。
ほんで音楽については、静寂(会話がない)やのに音楽によって不安を表現させたり、ドキドキを伝わらせたり、凄かった。
花の登場シーンはものすごく少ない。孤独を現したかったんやろう。語られてないけど巧の奥さんももうおらんかったし、巧から花への愛情が大きく感じられるとこがないように思った。
そしてタイトルの"悪"とはなんなのかですが、敵味方とかのことではなく"悪意"のことやろう。補助金のため、村を守るため、バランスを取るため。村では欲とか正義はあったやろうけど悪意はなかったと感じた(社長とコンサルのやつは不明)。嫌がらせとか、無理矢理何かをさせる描写がなかったし。
最後の展開については、さすがにまさかすぎた。あるとしたら、実際にあんまないやろうけど、花が撃たれてるんかと思った。さすがに青色の服やし猟師がそんなミスするとは思われへんけど、展開的にはそれなんかなと。まさか巧が殺すなんて。以下、2点は僕が自分的に納得できる解釈です。

①巧が高橋を殺した理由: もちろん邪魔やったのは間違いないけど、殺すまでしたのは、便利屋として村のために自分だけで判断したんじゃないかと。動物的な反応で殺したというよりは、いつかタイミングさえ合えばやってやろうと。あの場所のバランスを保つために。さすがに花が行方不明になったのは偶然やろう。この解釈をする場合、黛はどうするんやってなると思います。でも黛が仕事辞めるってのを高橋と話してたのを聴いてて消す必要はないと判断したんやと思いました。巧の感情が読み取れへんようにしてるから殺した時もどんな思いやったのかはわからんけど、便利屋としてやるべきことをやったように思いました。
②花が鼻血出して倒れてた理由: 状況的にも、すでに鹿に襲われてたのかと。なんなら死んでるまである。巧が見つけた時に立っていた花は、あくまでも巧自身がそうであってほしい願望なんかなと。

①と②が同じタイミングで起きたのは偶然で、巧にも高橋にも花にも鹿にも悪意はなかったのではないかと。

「むしろ悪意があった方がこんなことには、、」
野郎ども、次の作品レビューまで港に別れを告げろ。ヨーソロー!

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