せいけ

悪は存在しないのせいけのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
5.0
音楽と映像の融合によって、感覚が研ぎ澄まされる
石橋英子の旋律と自然の木々をうっとり受動的に身を預けると、唐突に遮断されて映画を能動的に観る準備が整う
環境音、セリフの発話、劇伴によるリズム、日常的でありながら、強烈な寓話性を感じさせる作劇などまさしくバランスの映画
都市と地方の二項対立や環境保護という、わかりやすい社会問題に陥ることなく、ここにある町や人のドラマに発展していく
今ここで起きているアクションとドラマに感動して、結末に衝撃を受けて、鑑賞後に思考を巡らせる
小さいのに尾を引いていく自分にとって理想的なバランスの映画体験を得られた