ぺんじん

悪は存在しないのぺんじんのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3
イメージビデオ的な長回しもあんまり効果的じゃないし、よそ者と地元住民の対立も明からさまだなぁと思ったけど、よそ者2人がメインになる所から面白くなって良かった。この車内長回しは濱口監督の十八番。
全体的な雰囲気はアンドレイ・ズビャギンツェフの『ラブレス』や『裁かれるは善人のみ』っぽいけど、こちらの方がうどん屋のシーンとかユーモアがある感じ。
『悪は存在しない』は「善人しかいない」という意味では無く、善悪は相対的な関係であるという事。手負いの親子鹿が境界を越えるのはどんな時か。これはテリトリーの話。
個人的にはこれはリアリティがある話では無く、限定されたシチュエーションでの舞台演劇的な会話劇だと感じた。
観客に問いをぶん投げる、ヨーロッパ・アート系映画の終わり方。タイトルはゴダール。
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