今作でも、ドライブ・マイ・カーのときにやったみたいに好きだった部分をあげてみる。
まず冒頭のタイトルバック
背景に流れる音楽とのベストマッチ
心を持ってかれる。
決して色味は多くないけれど
自然がもともと持つ魅力なのか
印象に残る風景たちとその視点。
特に鹿の水飲み場として映される風景の美しさは圧巻だし、まるで自然の方から人間を伺っているようなショットの数々が素晴らしかった。
自然の目線。
芸能事務所から来る2人の車内での会話
紋切り型の巧の口調
「まだ誰も、賛成でも反対でもない」
難解だった。
人間と人間の話なのか。
自然と人間の話なのか。
それとも両方か。
何から何に対しての悪なのか。
悪の定義がそもそも難しいけれど、
正しさや、いわゆる正義と呼ばれるものとは同等に、同列には語れない。
近年いろんな映画で描かれる「悪」という概念の儚さ、脆さ
白黒のはっきりつかない境目
グレーゾーンの存在
誰が決めたのか
誰が決めるのか
どうしたら悪なのか
無知なこと
理解の及ばないことが悪なのか?
道理に背けば悪なのか?
何が悪なのか
という問いが、
ぐるぐるとわたしの頭の中で巡っている
何が正解かなんて
誰もわからないのに。
パンフレット読み込みたいな。