舞台は長野県水挽町。巧と花は自然豊かな町で平穏に暮らしていた。そんなある日、グランピング場建設の計画が持ち上がり、住民説明会が開かれるのだが…
冒頭の静謐な長回しの没入感が物凄く、都会と田舎、上流と下流の対比の中で、自然と人間の調和やコロナ禍以降の補助金を題材にした登場人物たちの思惑や背景が交錯する会話劇に引き込まれ、車中やうどん屋での時折挟まれるユーモアが面白く、終始不穏な空気感と緊張感が張り詰める映像美や劇伴、カメラワークが秀逸。
只々薪を割り、水を汲む便利屋が末恐ろしく、観客に委ねる鮮烈なラストは肴になるなぁ…