このレビューはネタバレを含みます
幸せになるために、成功するために、いつも通り過ごすために、
なにかが必ず犠牲になるんですよね。
その犠牲が悪なのかわたしにはわからない。
どこまでが悪でどこまでが善なのか、境界線が曖昧な世界にわたしたちは生きています。
ふだんはもの静かで臆病に生きていても、自分が大切にしている世界を侵されると、ときどき危害を加えたくなるほど、憤ることもあります。
映像も音楽も、のびやかで美しいので、会話のシーンを注意深く聞いてしまいます。
（上流で起きたことがやがて下流に溜まっていく、これは当たり前だけどハッとする台詞でした、リモート会議のシーンもヒリヒリした、自分の仕事のことを思って思わず下を向いてしまった）
人間もビジネスも自然も生きてゆくことも、すべてバランスだということです。
ああ、いい映画だった、っておわる映画もいいけど、観てからじりじりと思い出すような、ずっとどこかに引っかかってしまう映画もすきです。
タイトルを知らないでみたかったなとも思う。映画の中で悪か悪じゃないかをつい探してしまった。
とりとめがないけど書いておかないと忘れそうで。
立ち止まらなければいけないということを。
