このレビューはネタバレを含みます
音楽の使い方やカメラワーク、セリフや展開など大きなことは起こってないのになぜかハラハラするし、微妙に噛み合わない会話が笑いすら起きて、このままどうやって作品を着地させるんだろうと思っていた所であのラスト。
個人的なラストの解釈を書いておく。
物語の流れとしては
①巧と高橋が花を見つける
②助けようとする高橋を巧が止める
③花が鹿と向き合う
④近づこうとした高橋を巧が殺す
⑤花が血を流して倒れている
重要なのは区長が言っていた川での水の流れの話。
水は上から下へ流れる。上流の人が気を使わなければ下に迷惑がかかり、大きな事件になる可能性もある
物語の中でこの上流と下流という関係性はたくさん登場する。
都会と田舎、コンサル・社長と部下そして自然と人間
まず花を発見したとき、すでに彼女は倒れていたのだと思う。(巧が止めたとき高橋がなんで?とこぼしており、鹿と対面していたらすぐ助けに行こうとはならない気がする)
倒れた花を見て巧は自然の摂理、つまり人間は自然に勝てないという事実を痛感する。
そしてその流れ(自然→人間)の流れを邪魔しようとする(花に駆け寄ろうとする)高橋を殺す
というのが一面の流れではないか。
自然の中で生きる巧は、高橋を止めることで自然と人間とのバランスを取ろうとしたのではないか。