きゅうりのきゅーたろう

悪は存在しないのきゅうりのきゅーたろうのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.2
そこは豊かな自然と綺麗な水に囲まれた長野県水挽町。便利屋として町の人々を助ける巧とその娘の花は慎ましくも不自由なく暮らしていた。ある日、コロナ禍で困窮した芸能事務所が政府の補助金を目当てに水挽町にグランピング施設を建設する話が舞い込み、住民たちとの説明会が行われるも環境への懸念など話し合いは平行線をたどる…というお話。


濱口竜介監督ってやっぱ天才やな〜と思わされた一本。
元となったGIFTは鑑賞の機会こそ得られなかったが、本作でももちろん石橋英子さんの音楽がかなり際立っていた。
美しい音楽が不自然なくらい急に止まるのとかこの水挽町の抱える懸念と重なる。

並凡百の監督であれば恐らく芸能事務所側(特に社長とコンサル)をもっと分かりやすいヒールにしてたと思うんやけど、濱口監督は絶妙なクソさでバランス保ってたところが他には無い唯一無二のセンスを感じたし、ゆえにタイトルも秀逸。

まあ実際ルールに則って政府の補助金もらうことは合法やし悪いことはしてへんわけやからなあ
一方町民側も物事を進める際に『肩書き』が必要なことを全く理解してなくて「俺が詳しい」って態度で臨んだこともマイナスに感じるので(いくらそれが正しくとも、会社内で「町の人が言ってました」で通るわけがない)、イーブンに描かれてるなあと好印象。

最後はよく分からんかった🤔
特にチョークスリーパー