ひよこ豆

悪は存在しないのひよこ豆のネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からの木々の映像と音楽でもう引き込まれてしまった。
雪解けくらいの時期、森の雪が残ってる感じとか湖の一部だけ氷が溶けてる様子とか、色んな森の音が故郷を思い出させて、なんか個人的に凄く波長が合ってしまってのめり込んで観てた。
とくに銃声がたまに聞こえたり、チェンソーで木を切る音とか、本当に子供の頃よく聞いていた音だっただけに没入感があったし、グランピングではなかったけど新しい施設を地元に建てるとかで公民館で説明会があって、子供達はその間会場の外で待たされてたり…なんかもう自分の地元の話を見てるような気分になってしまった。
会話劇は苦手だけど、説明会の様子とか、その後の芸能事務所の二人の車内の会話が妙にリアルで面白かった。Tinderとかホントに話してそうだし、しんみり話してる中でピコンッてTinder通知来たらあんな感じで吹き出してしまうと思う(笑)どうして結婚したいか?の問いに「さみしい…」って言ったの吹き出してしまった(笑)
あと音楽が絶妙に良くて、さらに急にブツッと切れて場面転換したりするのも奇妙な気分にさせられて、なんとも言えない違和感を感じさせられたのも良かった。

巧と芸能事務所の二人が車内で話してた鹿の話で、鹿は絶対自分からは人間を襲ったりしないけど、もし襲うなら手負いの鹿やその親だったら…っていうのがラストで体現されたのかな?って思った(知らんけど)。その場合人間も鹿も悪くないし、この映画の中で単純に見たら最初の説明会では芸能事務所側が悪側に見えるけど、ラストは巧の方が悪に見える。でもどっちも自分達を守る為に行動してるだけで結局タイトル通り悪は存在しないって事?なのかな?分かんないけど、答えがハッキリしないからこそ他の観た人と感想を言いたくなる映画だとは思った。
ひよこ豆

ひよこ豆