のーのー

悪は存在しないののーのーのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ヤバいし、知ってる種類のヤバさでもない。なんだこれ。
大きく3つのパートに分かれていて、第1幕、第2幕、第3幕と確かに話は繋がっているんだけど、面白さの種類がパートごとにガラッと変わる。特に第3幕ではそれまでの1,2幕で見ていた物の意味が完全に変わってしまう。
エンドクレジットが出た時はただ混乱して「えっ終わり?!」と思わず身を乗り出してしまったけど、その後帰りながら色々考えた結果、不確定だけど自分なりに「そういうことか…?」という所に40分くらいして行きついた。
最後の展開に行き着く話として見るとその語り方も重心の置き方もわけわかんないし、でも一つ一つの場面や会話は無茶苦茶味わい深くて普通におもしろいっていうバランスも変だし、ただ一言「ヤバい。」って感想がこれほどしっくりくる映画もないと思う。
「絵に描いたような」人物造形を文字通りに示すようなシーンは、その絵を見ている(描いている)者の「絵に描いたような」人物認識を示しているんだろうか。だとしたらこの映画のキービジュアルを我々観客はどういう思いで見ればいいんだろうか。
間違いなく言えるのは、観客はこの映画という村にとって紛れもなく「余所者」であって、この村の真の姿めいたものを認識した時にはエンドクレジットが映されるかそれよりも後で、もうとっくに何もかも手遅れだと思い知らされるのみだということ。しかもその真の姿と思われたものすら全くの見当違いかもしれない。恐ろしい映画。
あと、ドライブマイカーに続いてスキャンダルで失脚する芸能人の話が出てくるけど、たぶん偶然だな。
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