イロカワ

悪は存在しないのイロカワのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3
善は急げ、そこに悪は存在しない。
グランピングをする側の欲望はもっと追求するべき。ただ批判されるだけのサンドバッグに成り下るべきではない。「お金がほしい。あんた達もそうだろ?」というセリフから更に田舎の連中を誘惑するべきだと思う。田舎の人間だってお金は欲しいよ。不景気だし。欲望を刺激できる立場の人間が言われるがままに右往左往して、流されるだけの存在にしかなってないのが残念だった。
土地に住み着かず、この映画を撮り終えたら東京に帰ってくる濱口さんだって間違いなくグランピング側なのでそれを単純に自己批判する内容になっているのは残念。間違っているからこそ、それを深化する内容でなければ本当の意味で誠実とは言えないと思う。
山菜を使った蕎麦を作る設定でもいいけど、山菜を料理として出すなら道に生えてるだけじゃ絶対足りない。地元民なら山の中に入って取ると思う。そこら辺のリアリティ、山と共に生きている感覚が都会の人が考えるイメージで終わっていて不満ではあった。
ただ凧を飛ばしてそのまま子供にティルトダウンしたり、横移動で2つのシーンを繋げたり、だるまさんが転んだをしたり、面白いショットは多くて面白かった。
イロカワ

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