ヤマ

悪は存在しないのヤマのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.5
長野県水挽町。自然豊かな高原の地で代々暮らす巧は、娘の花とともに慎ましい生活を送る。ある日付近にグランピング場を作る計画が持ち上がると、町内は環境や水源にもたらされる影響に動揺し、巧たちの生活にも余波が及ぶ。

映画のラストが意味するものは???大きなクエスチョンマークが浮かぶ。ずさんな計画を巡る業者側と住民の対峙は、卑近な人間社会の縮図で、両者の事情が詳らかになり関係が交錯していく過程は興味深い。一方でそんな人間と対比されるかのように、周囲の自然は美しく悠然と存在している印象を与える。

しかし自然はコントロール不能で得体の知れないものでもある。劇中でもときおり不穏さが顔を覗かせる。人間もよく知っているとおり自然は善悪を超越したものでもある。最後には人間と自然の間に何かが作用したのだろうか。
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